要約
古物商許可を自分で取る方法を全解説。必要書類一覧・警察署への申請手順・申請手数料19,000円の費用・審査期間40日の目安・行政書士依頼との費用比較まで網羅。
古物商許可とは|フリマ・リサイクルショップ開業に必須の許可
古物商許可とは、中古品(古物)を買い取って販売・交換する営業を行うために、都道府県公安委員会から受ける許可のことだ。根拠法は「古物営業法」であり、無許可で古物営業を行うと3年以下の懲役または100万円以下の罰金が科される。
対象となる「古物」は13品目に分類されており、衣類・自動車・バイク・自転車・電気製品・書籍・カメラ・時計・貴金属・家具・ゲームソフト・CD/DVD・スポーツ用品などが含まれる。フリマアプリを使ってせどりを行う場合、ネットショップで中古品を販売する場合、リサイクルショップを開業する場合はすべて対象となる。
ただし、自分で使った物を売るだけ(いわゆる不用品販売)や、無償で譲り受けた物の販売は古物営業法の対象外となる。「仕入れて転売する」という商行為が伴う場合に許可が必要だと覚えておこう。
許可は個人・法人どちらでも取得できる。営業所(自宅も可)がある都道府県の警察署(正確には公安委員会経由)に申請する。複数の都道府県に営業所を持つ場合は、それぞれの都道府県ごとに申請が必要になる点も押さえておきたい。
古物商許可の必要書類一覧|個人申請の場合
自分で申請する際に用意すべき書類は以下のとおりだ。書類の種類と取得先・費用をまとめて確認しよう。
申請書類(警察署でもらう・ダウンロード可)
- 古物商許可申請書(正副2部):各都道府県警察のホームページからダウンロードできる
- 誓約書:申請者本人と、法人の場合は役員全員分が必要
- 略歴書:最近5年間の職歴・住所歴を記載する書類(書式は警察署で入手)
公的証明書類(個人申請の場合)
- 住民票の写し(本籍地記載・マイナンバーなし):市区町村役場で取得、手数料300円前後
- 身分証明書(破産・禁治産の宣告を受けていないことの証明):本籍地の市区町村役場で取得、手数料300円前後。住民票と取得場所が異なる場合があるため注意
- 登記されていないことの証明書:成年後見登記がされていないことの証明。法務局(最寄りの本局・支局)または郵送で取得、手数料550円
営業所に関する書類
- 営業所の賃貸借契約書のコピー:賃貸の場合に必要。自宅を営業所にする場合は持ち家なら不要なケースが多いが、管轄警察署に事前確認する
- URLの使用権限を疎明する資料:ネット販売を行う場合のみ必要。ドメイン登録情報(whois情報)や、モールへの出店画面のスクリーンショットなどを準備する
法人申請の場合の追加書類
- 定款のコピー
- 登記事項証明書(法務局で取得、600円)
- 役員全員分の住民票・身分証明書・登記されていないことの証明書・誓約書・略歴書
書類は原則としてすべて申請日から3か月以内に発行されたものが必要だ。取得のタイミングを計画的に進めよう。
申請手順と流れ|警察署への申請から許可証受取まで
古物商許可の申請先は、営業所(主たる営業所)を管轄する警察署の生活安全課(または防犯係)だ。都道府県公安委員会宛の申請だが、窓口は警察署となる。以下の手順で進める。
- 事前相談(推奨):申請前に管轄警察署の生活安全課へ電話し、「古物商許可の申請を検討している」と伝える。書類の確認や不明点を事前に解消できるため、窓口での差し戻しを防げる。
- 書類の準備・収集:上記の必要書類をすべて揃える。住民票・身分証明書・登記されていないことの証明書は有効期限(3か月)があるため、他の書類を準備してから最後に取得するのが効率的だ。
- 申請書の記入:古物商許可申請書に、氏名・住所・営業所の名称・取り扱う古物の区分(13品目から選択)・ホームページのURL(ネット販売の場合)などを記入する。複数の品目を扱う場合はすべてにチェックを入れる。
- 警察署窓口への提出と手数料納付:必要書類一式を持参し、窓口に提出する。申請手数料19,000円を警察署で支払う(証紙または現金。都道府県によって異なる)。
- 審査・補正対応:審査中に警察から書類の補正や追加提出を求められることがある。連絡が来たら速やかに対応する。
- 許可証の受取:審査通過後、警察署の窓口で古物商許可証を受け取る。郵送は基本的に行っていないため、再度警察署に出向く必要がある。
審査期間は申請受理から標準40日(土日祝を除く)とされており、実際には30〜60日程度かかることが多い。急いで開業したい場合は早めに申請を進めよう。審査手数料の19,000円は不許可の場合でも返還されない点も覚えておく必要がある。
費用の全体像|自分で申請する場合と行政書士に依頼する場合の比較
費用面での判断材料として、自分で申請する場合と専門家(行政書士)に依頼する場合を比較する。
自分で申請する場合の費用
- 申請手数料:19,000円(法定費用・不変)
- 住民票の写し:約300円
- 身分証明書:約300円
- 登記されていないことの証明書:550円
- 法人の場合の登記事項証明書:600円
- 交通費・時間コスト:警察署・役場・法務局への複数回の訪問が必要
合計目安:個人申請で約20,500円〜、法人申請で約21,000円〜(書類取得費用の実費のみ)
行政書士に依頼する場合の費用
- 申請手数料:19,000円(同上)
- 行政書士報酬:30,000円〜70,000円程度(地域・事務所によって異なる)
- 書類取得の実費:行政書士が代行取得する場合は別途実費
合計目安:個人申請で約50,000円〜90,000円程度
どちらを選ぶべきか
書類収集・申請書の記入・窓口対応をすべて自分でできるなら、自分申請で十分だ。必要書類は多く見えるが、内容は難解ではなく、事前に警察署へ相談すれば初めてでも対応できる。一方、本業の準備で時間がない場合、複数の都道府県に同時申請する場合、法人で役員が多く書類収集が煩雑な場合は行政書士への依頼が現実的な選択肢となる。行政書士に依頼すれば書類収集から申請まで一任でき、補正対応も代行してもらえる。
申請時のよくある失敗と注意点
初めて古物商許可を自分で申請する場合、以下の点でつまずくケースが多い。事前に把握しておくことで、差し戻しや二度手間を防げる。
営業所の設定ミス
自宅を営業所にする場合、賃貸物件では「使用承諾書(オーナーの同意書)」が必要になるケースがある。賃貸借契約書にビジネス利用禁止の条項がある場合はオーナーへの事前確認が必須だ。警察署によって求める書類が異なるため、必ず事前相談で確認しよう。
取り扱い品目の選び忘れ
申請書に記載する古物の区分は、将来的に扱いたいものをすべて申請時にチェックしておく。後から品目を追加する際は変更届が必要になり、手間がかかる。複数のジャンルに可能性があるなら幅広くチェックしておくのが賢明だ。
身分証明書と住民票の取得先の混同
住民票は「現在の住所地の市区町村役場」で取得するが、身分証明書は「本籍地の市区町村役場」で取得する。現住所と本籍地が異なる場合は、本籍地の役場に郵送請求するか、直接出向く必要がある。マイナポータル等での取得方法は自治体によって異なるため、事前に確認しよう。
URLの届出漏れ
メルカリ・ヤフオク・Amazon・BASEなど、インターネットを使って中古品を販売する場合は、そのURLを申請書に記載する必要がある。申請後にネット販売を始めた場合や出店プラットフォームが変わった場合は、都度「変更届」を警察署に提出する義務がある。届出なしでのURL変更は法令違反になるため注意が必要だ。
許可後の義務も把握しておく
許可取得後も、古物台帳(取引記録)の作成・保存義務、盗品申告義務、営業所への標識(プレート)の掲示義務などが課される。標識は許可後に自作または購入して掲示する必要があり、規格が定められている。これらを怠ると許可取消しや罰則の対象になるため、許可取得後のルールも事前に把握しておこう。
よくある質問
- Q.古物商許可は自宅(賃貸)でも取れますか?
- A.取得できる。ただし賃貸物件では家主の使用承諾書が必要なケースがある。管轄警察署に事前確認することを推奨する。
- Q.古物商許可の申請から取得まで何日かかりますか?
- A.標準処理期間は申請受理から40日(土日祝除く)。実際には30〜60日かかることが多い。急いで開業したい場合は早めに申請しよう。
- Q.メルカリで中古品を転売するだけでも古物商許可は必要ですか?
- A.仕入れて転売する行為(せどり)は古物営業法の対象となり許可が必要。自分が使った不用品の単発販売は不要だが、継続的に買い取って販売する場合は必須だ。