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#在留資格#行政書士法#無資格代行#両罰規定#コンプライアンス

在留資格申請をコンサルが代行すると違法か

要約

在留資格申請を報酬付きで代行する行為は行政書士法違反となり得る。無資格でできる範囲と両罰規定のリスクを法務担当者向けに解説。

在留資格申請の代行に行政書士資格は必要か?結論から解説

在留資格申請(ビザ申請)を報酬を得て代行する行為は、行政書士法第19条が定める「官公署に提出する書類の作成」に該当します。したがって、行政書士資格を持たない者が報酬を受け取って在留資格申請書類を作成・提出代行すると、行政書士法違反となる可能性が高いです。これは、外国人採用支援会社・人事コンサルタント・国際業務ブローカーなど、ビジネスとして在留資格申請を扱う事業者が共通して直面するコンプライアンスリスクです。

行政書士法第19条は、「行政書士でない者は、業として第1条の2に規定する業務を行ってはならない」と定めています。違反した場合は同法第21条により、1年以下の懲役または100万円以下の罰金が科されます。また、法人の代表者や従業員が違反行為をした場合、法人にも同額の罰金が科される両罰規定(第23条)が適用されます。経営者が「担当者に任せていた」では済まない点に注意が必要です。

無資格でも合法的にできる範囲:コンサル・HR担当者が知るべきライン

行政書士法の規制は「報酬を得て・他人の依頼を受けて・書類を作成する行為」に及びます。裏を返せば、以下の行為は無資格でも合法的に実施できます。

  • 申請に関する情報提供・アドバイス(コンサルティング):必要書類の種類や手続きの流れを説明するだけであれば、書類作成行為には該当しません。ただし、実態として書類作成まで踏み込んでいれば違法と判断される可能性があります。
  • 自社の従業員の在留資格申請を社内手続きとして行う:雇用主が自社の外国人従業員のために申請を行う場合は、第三者の依頼を受けた「業」として行うわけではないため、行政書士法の規制対象外です。ただし、「代行サービス」として有償で他社分まで引き受けると違法になります。
  • 出入国在留管理庁が認定した「申請取次行政書士」以外でも、入管法上の「申請取次者」として届出を行った者は申請の取次が可能:これは弁護士・行政書士以外でも、所属機関や登録支援機関の職員が届出を経た上で行える制度ですが、書類作成は別問題です。

実務上のグレーゾーンとして問題になりやすいのが、「コンサルティング料」という名目で報酬を受け取りながら、実質的に申請書類の作成まで行っているケースです。契約書の名称ではなく実態が何を行っているかで判断されるため、報酬の設定方法や業務範囲の明文化が不可欠です。

在留資格申請の無資格代行で問われた実例と行政書士法のポイント

在留資格に関する無資格代行は、行政書士会からの告発や警察による摘発事例が複数存在します。典型的なパターンは次のとおりです。

  • 外国人採用支援を名目にした会社が、クライアント企業から報酬を得て就労ビザ(技術・人文知識・国際業務など)の申請書類一式を作成・提出していたケース
  • 国際結婚サポートを行う事業者が、配偶者ビザ申請書類の作成を有償で行っていたケース
  • 留学エージェントが、学生ビザや資格外活動許可の申請書類を報酬付きで代行していたケース

これらに共通するのは、「申請書類の作成」という行政書士の独占業務に直接踏み込んでいる点です。行政書士法第1条の2が定める独占業務には、官公署に提出する書類の作成と提出手続きの代理が含まれており、在留資格申請書は出入国在留管理庁(入管)という官公署への提出書類に明確に該当します。

また、近年は行政のデジタル化が進み、オンラインで在留資格申請が可能なケースも増えています。デジタル庁が推進する行政手続きのオンライン化により、申請の入力・送信作業を代わりに行う行為も「書類作成の代行」に準じて解釈される場合があり、法的判断が一層複雑化しています。オンライン化されたからといって無資格での代行が合法になるわけではありません。

企業の法務担当者・コンサルが取るべきコンプライアンス対応

在留資格申請に関連するビジネスを展開する企業が取るべき実務上の対応を整理します。

①業務範囲を契約書で明確に区分する
コンサルティング契約において、「申請に必要な情報の提供・書類チェックリストの提示」までを自社の業務範囲とし、「書類の実際の作成・入力・記名」は行政書士に委ねる旨を明記します。契約書の文言と実態が乖離していると違法リスクが生じるため、業務フローも整合させることが必要です。

②提携する行政書士に書類作成を委託する
合法的にワンストップサービスを提供するためには、行政書士法人または行政書士個人との業務提携契約を締結し、書類作成部分を正式に委託することが現実的な解決策です。ただし、名義貸し(実際には無資格者が作成し、行政書士の名前だけ使う行為)は行政書士法第19条の2が禁じており、行政書士本人も処分対象になります。

③従業員研修でグレーゾーンを周知する
営業担当や外国人採用支援担当が「親切心」や「サービス精神」から書類作成を手伝うケースは珍しくありません。両罰規定の存在を踏まえ、会社として違法行為に当たる行為の範囲を定期的に研修で共有することがコンプライアンス上不可欠です。

④行政書士資格取得を検討する
在留資格申請代行を事業の柱とするのであれば、社内に行政書士資格者を配置するか、行政書士法人として登録することが根本的なリスク解消につながります。資格取得までの間は、提携行政書士との適切な役割分担を徹底してください。

在留資格申請の無資格代行は行政書士法違反として刑事罰の対象となり、法人への両罰規定も適用されます。「申請書類を作成しているかどうか」という実態判断が重要であり、コンサルティングの名目や報酬形態だけで合法・違法が決まるわけではありません。グレーゾーンに気づいたら早急に法務担当者または行政書士に相談することを推奨します。

よくある質問

Q.外国人採用支援会社がビザ申請書類を作成するのは違法ですか?
A.報酬を得て他社・他者のために在留資格申請書類を作成すれば行政書士法違反となります。書類作成は行政書士に委託する必要があります。
Q.自社の外国人従業員のビザ申請を人事担当者が行うのは違法ですか?
A.自社従業員のための申請であれば第三者から報酬を受けての「業」には該当せず、行政書士法の規制対象外です。他社分まで有償で受けると違法になります。
Q.行政書士と提携して書類作成を委託すれば合法的にワンストップ代行できますか?
A.適切な業務提携契約のもとで書類作成を行政書士に委託する形は合法です。ただし名義貸し(無資格者が実質作成)は厳禁です。

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