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#在留資格#無資格代行#行政書士法#両罰規定#コンプライアンス

在留資格申請をコンサルが代行すると違法になる条件

要約

在留資格申請の代行は行政書士の独占業務。無資格のコンサルや企業担当者が報酬を受け代行すると行政書士法違反となり、両罰規定で法人にも罰則が及ぶ。

在留資格申請の代行に行政書士資格が必要な理由

行政書士法は、報酬を得て他人の依頼により官公署に提出する書類の作成および提出手続を代行することを、行政書士の独占業務と定めています(行政書士法第1条の2・第1条の3)。在留資格の申請(就労ビザ・配偶者ビザ・永住許可など)は、出入国在留管理庁という官公署に提出する書類の作成と提出代理を伴う手続です。したがって、報酬を受け取って第三者のために在留資格申請を代行する行為は、原則として行政書士の独占業務に該当します。

さらに、出入国管理及び難民認定法(入管法)第24条の2は、申請取次者制度を定めており、申請人に代わって申請書を提出できる者を行政書士、弁護士、認定を受けた機関の職員などに限定しています。コンサルタントや人材会社のスタッフが無資格のまま外国人従業員のビザ申請書を入管に提出した場合、行政書士法違反と入管法の両面で問題が生じます。

無資格代行が違法になる具体的なケース

実務上、どのような行為が「違法な無資格代行」に当たるのかを整理します。

【違法となるケース】
① 人材紹介会社やコンサル会社のスタッフが、報酬(サービス料・コンサル料を含む)を受け取ったうえで、外国人従業員の就労ビザ申請書類を作成・提出する行為。
② 企業の法務担当者やHRコンサルタントが、社外の外国人(取引先社員・業務委託者など)の在留資格申請書を代わりに作成して提出する行為。
③ ビザ申請サポートをうたうサービス事業者が、行政書士資格なく申請書類を作成し、「書類チェック・翻訳サービス」などの名目で実質的な申請代行を行う行為。

【違法とならないケース】
① 企業が自社の外国人従業員のビザ申請を、社内の担当者(人事・法務)が社員として行う場合(本人申請・使用者申請の範囲内)。
② 行政書士に正式に業務委託し、行政書士が申請人として書類作成・提出を担う場合。
③ 申請書類の書き方を一般的に説明する情報提供・アドバイスにとどまり、具体的な書類作成・代理提出を行わない場合。

判断の分岐点は「報酬を受け取っているか」「具体的な書類作成・提出代理を行っているか」の2点です。どちらか一方でも欠けていれば直ちに独占業務違反とはなりませんが、実態として報酬が発生しているケースでは慎重な判断が必要です。

行政書士法違反と両罰規定:企業が負うリスク

行政書士法第19条は、行政書士でない者が業として第1条の2に規定する業務を行うことを禁じており、違反した場合は「1年以下の懲役または100万円以下の罰金」(第21条)が科されます。さらに重要なのが両罰規定(第23条)の存在です。両罰規定とは、違反行為を実行した従業員個人だけでなく、その法人(会社)にも罰金刑を科す制度です。

つまり、会社の業務としてコンサルタントや担当スタッフが無資格代行を行っていた場合、会社自体も100万円以下の罰金の対象になります。「担当者が勝手にやった」という言い逃れは通らず、会社として適切な管理体制を敷いていなかった場合には法人責任が問われます。法務・コンプライアンス担当者は、外国人雇用支援サービスや社内の申請補助業務がこのラインを超えていないか、定期的に確認する義務があります。

また、入管法上の申請取次制度に違反した場合も別途問題が生じます。行政書士法と入管法の両面から罰則リスクが生じることを念頭に置く必要があります。

企業・コンサルが今すぐ確認すべきチェックポイント

在留資格申請に関して、企業やコンサルタントが違法リスクを避けるための実務チェックポイントを以下に示します。

① 報酬の流れを確認する
ビザ申請サポートに関連して、直接・間接を問わず報酬が発生していないかを確認します。コンサルティング料や顧問料の一部として実質的に申請代行対価が含まれているケースも要注意です。

② 業務の実態を確認する
「書類チェック」「確認作業」「翻訳補助」という名目であっても、実態として申請書類の作成や入管への提出代理を担っていれば独占業務に該当します。名目ではなく実態で判断されます。

③ 外注先・委託先の資格を確認する
ビザ申請サポートを外部業者に委託している場合、その業者が行政書士資格を持つ個人または行政書士法人であるかを確認してください。無資格のコンサル会社に委託し、実態として申請代行を依頼している構造は、委託元企業も違反リスクを共有します。

④ 社内規程・業務フローを整備する
外国人従業員の在留資格申請については、社内担当者の役割(書類収集・情報提供)と、行政書士が担う役割(書類作成・提出代理)を明確に分離した業務フローを文書化しておくことが重要です。万一、監督官庁から調査が入った際にも、コンプライアンス上の対応記録として有効に機能します。

在留資格申請は、外国人材の雇用が拡大している現在、多くの企業が頻繁に行う手続です。行政書士法の無資格代行リスクを正しく理解し、適切な体制を構築することが、企業のコンプライアンス上の最重要課題の一つとなっています。

よくある質問

Q.コンサル会社が外国人採用支援の一環でビザ申請書類を作成するのは違法ですか?
A.報酬を受けて具体的な申請書類の作成・提出代理を行う場合は行政書士法違反になります。行政書士に委託する体制が必要です。
Q.自社の外国人従業員のビザ申請を社内の人事担当者が行うのは問題ありませんか?
A.自社従業員の申請を社内担当者が使用者として行う場合は独占業務には当たらず、原則として問題ありません。
Q.在留資格申請の無資格代行で会社が受ける罰則はどの程度ですか?
A.行政書士法の両罰規定により、違反した従業員個人だけでなく法人にも100万円以下の罰金が科されるリスクがあります。